インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告

インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告 (角川スニーカー文庫)

インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告 (角川スニーカー文庫)

 

西暦2021年に発見された病“夢現譜症候群”。感染した人間は必ず“2029年12月31日”に3分間だけ意識が飛ばされる=“未来が視える”というその現象。14歳のレオはロンドン市内で無差別に人を斬り裂く未来を体験する。「どうして俺が殺人鬼なんだよ!?」絶望と共に未来視から戻ってきた彼にはある異能が目覚めていた―。3年後、Xデーが迫る中、ある少女がレオのもとに現れる。「あなたを殺しにきた」と告げながら。近未来SFバトル開幕!

 

感染した人間は皆同じ時間の未来を見るという現象。そんな未来で殺人鬼となっている自分を体感したレオが未来を変えるべく奮闘する物語。

未来を体験することによって幸せな未来に希望を持つもの、不幸な未来に絶望するもの、未来が見えずに自暴自棄になるものと、体験する未来に大きく動かされる人々が面白かった。

そんな中で未来視を経て異能を得たものたちがその原因を探り解決しようとする。レオも殺人鬼になると知れ渡ってる中、そんな殺人鬼らしく冷徹な仮面を被って未来視の感染源を探していく。そして垣間見える殺人鬼の一面みたいなのが不穏。

そして作者が力を入れたというレオが尋問をするシーン、いやはや最高でした。容赦がなくって素晴らしい。

あとはラビットさんが良かった。悪役を演じる悪役のような感じで、レオに倒されることを望んでいるようで、未来が見えなかった自分の死に場所を探しているようで良かった。最後にはヒーローに勝ちたいってなるのも良い。

そんな悪役だとか尋問シーンとかこの作品の暗い雰囲気をまごまごさんのイラストがいい感じに描き出していて良かった。この人の白黒イラスト良いよね。

りゅうおうのおしごと! 4

りゅうおうのおしごと! 4 (GA文庫)

りゅうおうのおしごと! 4 (GA文庫)

 

 「わたし、もっともっと強くなって……絶対に勝ちますっ!!」小学校が夏休みに入ったその日、あい達は東京を目指していた。目的は――最大の女流棋戦『マイナビ女子オープン将棋トーナメント』。女流棋士やアマチュア強豪がひしめくその大会を、あいと天衣は破格の才能を武器に駆け上がって行く。一方、その師匠はというと……弟子に隠れて美人女流棋士と将棋番組でイチャイチャしたかと思えば、その翌日は別の女の子と原宿で手繋ぎデート!? しかもそのお相手は……銀子!?将棋に全てを捧げた女性達が織りなす灼熱の祭典を描いた第四巻! 人生で最も熱い夏が今、始まる。

 

相変わらずすごく面白かった。

今回はあいたちの女流棋戦がメイン。 しかしこの小学生たち順調である。

雷は結構好き。あの才能の化け物みたいなとことか、強くなるために手段選ばない辺り。正直あいには悪いが雷に勝って欲しかった感はある。

今回は姉弟子が異常なほど可愛かったな。

才能を見えているで表現するのがすごい好き。そして最後の八一には震えた。名人との戦いが楽しみすぎる。

さよなら、サイキック 1.恋と重力のロンド

その能力は、戦うためのもの―?幼少期に重力を操る能力に目覚めるも、怠惰で平凡な高校生に落ち着いた獅堂ログ。ある冬の夜彼は、“最後の魔女”という運命を背負った少女・ロンドと出会い惹かれ合う。その年の夏。クラス一の美少女木佐谷樹軍乃に強引に誘われ、共に郊外へ向かったログは、「鉄塔に登った距離に比例してスカートの裾を持ち上げる権利」に釣られ、頂上の絶縁碍子を目指すことに。はたして軍乃の真意は…!?

 

能力モノなんだけど、青春と言いたくなるようなそんな雰囲気。

異能力者の主人公が魔女の少女と異能力者のクラスメイトの間で云々かんぬんな話。

すごく面白かった。久しぶりに素晴らしい新作に出会った気がする。

 ただ個人的な好みで言うと最後の宣戦布告は3人の時じゃなくログか、ロンドどちらかと2人っきりの時が良かった。もっと言うなら不意打ちでログにキスでもかませば最高だった。

軍乃さんすごい好きです。

恋をすれば能力を失うってのは、大人になれば能力を失う的な感じでいいな。

次巻この三角関係がどうなっていくのか非情に楽しみ。

筺底のエルピス4 -廃棄未来-

筺底のエルピス4 ?廃棄未来? (ガガガ文庫)

筺底のエルピス4 ?廃棄未来? (ガガガ文庫)

 

殺戮因果連鎖憑依体―。古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれる人類文明の宿敵。それを消滅させる唯一の手段が失われ、世界が破滅へと突き進むなか、最悪の黒い鬼を生み出すことを予言された少女と“門部”の生き残りを、あまりにも邪悪な存在と、数奇な運命に翻弄される狙撃手の少女が追う。積み上がる仲間の死と、『すべてを取り戻せる』という希望の裏に隠された残酷な真相を乗り越え、果たして逃亡者たちは、戦いに終止符を打つ約束の地に辿り着けるのか。人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩、希望と慟哭の第四弾。

 

絶望に次ぐ絶望。

これは名作だよな。しっかりとした完結まで持っていってもらいたい作品。

やっぱり圭がヒロインで叶が主人公よな。しかしこうも辛い道になるとは……。正直次巻すごく怖い。この運命は悲しすぎる。

そうだよな、過去に戻るってことはそういうことになる。ホントに2人なら良かったのに……。